SBSプロジェクトチームは2021年9月15日から2022年3月18日まで12回の会合を開催し、いかにすれば持続的にSBSが神学教育事業をしていくことができるのか、これまでの働きの検証と課題の共有、理念の確認、ビジョンおよびビジョンを実現するためのコンセプトについて議論を深めてきました。プロジェクトチームとしての提案は仙台バプテスト神学校理事会および本校の法人である(宗)バプテスト聖書宣教会総会において承認されましたので、ここに本校の使命とビジョンとして宣言します。

2022年6月13日

使命

「仙台バプテスト神学校の使命は、神の奥義としての教会建て上げに仕える牧師・信徒を教会と共に育て励ますことです。」

教育目標聖句

「…どうか、あなたがたが、あらゆる霊的な知恵と理解力によって、神のみこころについての知識に満たされますように。また、主にふさわしく歩み、あらゆる点で主に喜ばれ、あらゆる良いわざのうちに実を結び、神を知ることにおいて成長しますように。」(コロサイ人への手紙1:9-10/新改訳聖書2017)

ビジョン

「仙台バプテスト神学校が目指す未来は、キリストにあって回復され建て上げられた個人・家族・教会・共同体が、置かれた地で希望となり、神の愛と祝福をもたらすものとなっていることです。本校は教会と共に、このビジョンの実現のために、誰もが神学教育を受けられる機会を提供し、神と人々に仕える指導者や信徒を育て、励まし続けます。」

中長期計画

SBSが使命を果たし、ビジョンを実現するために、二期からなる2040年までの中長期計画に基づいて取り組みます。

【第一期】(2022-2030)「アップグレード」
C-BTEを含むこれまでのSBSの取り組みをふまえ、これからの時代のために、諸教会における神学教育・指導者育成を支援するとともに、SBSが働き人を育て送り出す役割を再び果たせるようになることを目指します。そのため、現在行っている開講講座、アンテオケスクール、リソース提供を継続しながら、教育機関としての体制を整える。第一期において優先すべき課題は以下の通りです。

  1. 信頼の回復と支持の獲得
  2. リソースセンターの立ち上げ
  3. カリキュラムとポートフォリオ評価システムの構築
  4. 理事会および教師会の刷新
  5. デジタル化および学習機会の拡大(様々な試験的な取り組みを含む)
  6. マーケティングと戦略的な広報

【第二期】(2031-2040)「アップデート」
ビジョンの実現に向けて2030年までの実績と評価を踏まえて必要な修正を行います。特に第一期において試験的に取り組んだものを整理し、有益なものを発展させます。

解説

創設期から変わらない使命として、牧師と信徒リーダーの育成がある。さらにC-BTEの取り組みの中で明確にされたのは、神の奥義としての教会の建て上げに仕える牧師や信徒を育て励ますことであり、またそのように取り組もうとする諸教会を励まし仕えることもまた神学校の使命だということである。
こうした(教会開拓を含む)教会建て上げおよびリーダー育成の主体は教会自身であっても、神学校は諸教会と共に働き、充実した神学教育の場と機会を提供することで、働き人の育成と生涯教育に貢献すべきと考える。
また献身者の目指す姿が既存教会の牧会に重きを置く場合でも、開拓伝道に重きを置く場合でも、基本となる神学は共通しており、召しと賜物に従ってそれぞれの務めを通して神の家族としての教会建て上げに仕えるものである。加えて、この働きは牧師・伝道者だけでなく信徒とともになされるべきものであり、共に仕えようとする信徒を育て励ますことにも貢献できるはずのものである。

【神の奥義としての教会】
SBSは聖書を通して啓示された神の救いの奥義としての教会を神学教育の土台とする。教会は神学と指導者育成の現場であるというだけでなく、神の救いと再創造のご計画の実現の中で明らかにされた奥義である。主イエス・キリストは罪によって呪われたものとなった個人、家族、共同体の救いと回復を教会を地の果てにまで建て上げることによって成し遂げようとされている。

SBSは、現代において特に回復されるべき教会の姿は神の家族としての教会のあり方であると受け止め、そのような教会を生み出し、建て上げるために仕える働き人を育成し、継続して励ますことを通して諸教会に貢献する。

【目指す指導者像】
SBSが目指す教会の指導者は、教育目標聖句に表されているように知的にも人格的にも整えられ、神の家族としての教会の建て上げに仕える者である。そのためには健全な聖書解釈と神学の基礎を身に着け、宣教への情熱を持ち、自らの人格的・霊的成長、家族関係の回復、教会家族における交わりと奉仕を通して整えられる必要がある。またこうした回復と成長の姿は、ますます複雑化する現代の家庭環境や縮小していく地域社会に対して福音の目に見える希望となることができると信じる。

【重視する価値】
SBSは福音主義・聖書信仰に立ち、宣教の現場での働きを最も重視する。そのため、みことばの正しい理解と基礎的な知識、生涯にわたって物事を神学的に考え学び続けられる基本的なスキルを身につけ、宣教への情熱、個々の家族や教会家族の課題に取り組むことのできる健全な家族観と人格的・霊的成熟を重視する。SBSは教派神学校ではないがバプテストの良き伝統(聖書信仰、万人祭司、各個教会の自主自律、柔軟性等)を重んじる。